『自分が選択してきた道』~家第六届会員代表大会に参加して~
―高島雄太
JIA 10th Anniversary、おめでとう。
10年間JIAが活動を続けてきたことは、驚嘆に値する。これまでに何箇所の村でワークキャンプを行い、何千何万人が参加した、そういった活動の成果に驚いているのではない。
それらの成果を生み出してきた、「地区」-「JIA事務局」の関係性がより強固に発展しながら継続してきたことに驚く。
ボランティアだから責任が無い。これは間違いだと思う。
「責任をもってやる」ことを自発的に望んだ。これがボランティアだと思う。
苦労や苦難の場に志願して飛び込んできてくれた、何の見返りも求めずに一緒に戦ってくれた。
その戦いの中で、信頼関係が築き上げられる。
信頼関係は強い。「こいつがいれば怖いものなんて無い」「こいつと一緒なら乗り越えれる気がする」
どんな苦難も一緒に戦ってくれる仲間がいることで、挑戦に楽しみが見えてくる。
そうやって共に支えながらやってきた者同士が家族のような関係性となる。
29日、家事務局や各地区の報告を聞きながら、本当の意味での家族のような関係性が見えたような気がした。
そしてその日の夜、昼間に感じた感触は確実なものになった。
それは夜中、原田燎太郎と缶ビールを片手に話していた時のことだ。あの時間?雰囲気を私は生涯忘れることはないだろう。
その場にいた数人の地区代表にふと尋ねてみたくなった。
「なんで地区代表をやろうと思ったのか」
桂林の代表は、「こんなこと聞かれたのは初めてだ…」と言いながら、ぽつりぽつりと話してくれた。それに続いて他地区の代表、昔代表をやった経験のあるメンバーも。それぞれが自分の思いを順々に話し出した。
最初は自信が無く、やれるか不安だったこと。「おまえがなったらいい」と背中を押してくれた仲間がいたこと。電話で応援してくれた先輩のこと。そして代表になったとき、みんなが期待をして支えてくれたこと。
静寂な夜の中、まるで焚き火の火を囲むように、いつしか彼らを中心に二重三重の人の輪ができ、みんな話に聞き入っていた。
不安や戸惑いはあっても、彼らは自分たちがワークキャンプを行うこと、JIAの一員でいることに誇りを持ってるように見えた。
「責任をもってやるべきことをやる」
今後インドネシアワークキャンプは拡大の時期に入ってくる。
その時、やりたいことばかりをやっていくだけでは強い信頼関係の下にワークキャンプを行えない。やりたいことをやるには、やるべきことも付いてくる。時間を守る。話を真剣に聞く。活動の振り返りをしっかりと行う等…。
初めて中国のハンセン病快復コロニーでのワークキャンプに参加してから6年になろうとする。
中国で出会った快復者の村人、一緒にワークキャンプをした日本人?中国人の仲間、インドネシアへの背中を押してくれたたいらん、インドネシアでの活動を支えてくれた仲間、インドネシアで一緒にワークキャンプを創り上げたインドネシア人キャンパー、インドネシアで出会った快復者の人たち…
ワークキャンプに参加し、彼らと出会えたことを誇りに思う。彼らとの出会いの一つ一つが自分の人生の分岐点となっている。あの時彼らと出会い、自分が選んだ道があったからこそ、今の自分がいる。
今後自分がどのような道を歩いていくのか、まだ分からない。正直どこへ進めばいいか分からない。
だけどそんな時、私は後ろを振り返ることが出来る。そこには一本の道が遠く過去までつながっている。
様々な人と出会いの中で自分が選択してきた道だ。
これまでの過去の道のりを記憶をたどりながら思い出すと、勇気や自信がわいてくる。目の前の不安を打ち破る力になる。
2014年南寧での3日間の記憶は、この道に深く刻み込まれた。