JIAの運営
活動組織-自主的かつ持続的活動のための現地組織
中国での活動初期は日本人と韓国人のみがワークキャンプを行なっていたが、2003年8月のワークキャンプに中国の学生が初めて、手弁当で全日程参加した。以後、活動する快復村の数を徐々に増やし、2004年にJIAを設立した。
日本約2つ分の面積の地域にある快復村82ヶ所において、地元の学生が地元の社会資源で自主的に持続的な活動を行うため、JIAを事務局と「JIAワークキャンプ地区委員会」で構成される体制にした。
JIA地区委員会は華南地方の8つの都市にある大学24ヶ所からの学生ボランティアによって構成されている。学生たちは快復村を下見調査し、快復者や政府と相談してワークプロジェクトを決定し、活動参加者を集めて研修し、ワークキャンプを実施する。JIA事務局のフルタイムスタッフは各地区委員会の学生に対して、人材育成、情報共有、ネットワーク構築(地区委員会同士、支援者、協力団体など)の3つの側面から支援するのみで、ワークキャンプの主催権は地区委員会にある。
この組織の発展の方向性などの重要な意志決定はJIA理事会が行う。JIA理事は8つの地区から選出された地区代表8人であり、つまり活動の最前線にいる学生が組織の最高意志決定を行うことができる。ただし、学生には経験が不足しているので、それを補うため、学生時代にJIA理事を経験したOG/OB3人が理事会に加わっている。この理事会が事務局長(JIAの代表)を任命し、事務局長率いる事務局は意志決定の執行のみを担当し、意志決定権は持たない。2004年から2015年の事務局長は原田で、2016年から現在までは中国人の顔循芳が担当している。
この活動を資金的に支えるのは活動のOG/OBたち約1300人だ。学生時代に活動と組織のサービスを無償で受け、意義を理解した人たちは卒業後、毎月の定額寄付や仕事上で身につけた知識や技術を活かした小型のチャリティイベントを行い、地区委員会や事務局に寄付を行なっている。こうしてJIAは現在、外部の財団や企業からの助成金への依存度を下げ、コロナ禍にも耐えることのできる持続的で現地化した資金源を備えている。