JIAには事務局職員が駐在する場所が2か所ある---広州と、南寧だ。
中国第三の都市でもある広州には、JIAの組織全体の事務局がある。
南寧には事務局プロジェクト部の駐在所“ワーキングステーション”があり、
南寧の学生が集まり、活動する場所としても利用している。
南寧地区委員会を構成する学生は、6つの大学の10のキャンパスからなっている。
学校の場所が離れているため、学生はこのワーキングステーションに集まり
ミーティングをしたり、ワークキャンプの準備を行ったりしている。
一般の住居を1つ借りており、食事を作ることもできる。
また、ワークキャンプで使う寝袋もたくさんあるので、宿泊することもできる。
授業が終わってから学生が集まり、話し合い、食事をしている様子は
あたかも、親が外出で不在の“大家族”のようだ。
来年度に、他の団体と行うワークキャンプの打ち合わせのため、
20時過ぎから南寧のプロジェクトチームの3人と集まり、打ち合わせをした。
「村のことをもっと知ってもらえるように、南寧地区で初めてキャンパーがキャンプに参加するときのオリエンテーションプレゼンをしよう。」
「車の中では集中できないから、ミーティングは夜の時間を使おう。」
「当日前に、リハーサルをしておいた方がいい。集まる日を決めよう。」
…彼女らは自分たちで考え、すぐに実行に移すことができる。
リビングでは、遅い時間にもかかわらず、10数人の学生が集まって談笑している。
話すのは、ワークキャンプのことだけではない。
トランプをしながら、ヒマワリの種を食べながら、日常のことを夜遅くまで話す。
このとりとめのない時間は、人によっては“無駄な時間”に見えるかもしれない。
けれど、ワークキャンプを一緒に作る学生が、こうして“無駄な時間”を共に過ごし
次第と相手を理解し、連帯を強め、仲間になっていく。
寝る時間が近づいてくると、誰からともなく、リビングを全員で片づけ始める。
しばらくすると、ヒマワリの殻一つ落ちていないまでに綺麗に掃除がされている。
強制されるのではなく、みんなが使う場所を、みんなが大切にしている。
JIA事務局職員の1人が言った言葉が、心に残っている。
「今の若者たちは、こういう当たり前のことを教わらない環境で育ってきている。
学校は成績ばかりを見る。両親が生きてきた60,70年代は、“自分のことだけ気にすればいい”という価値観が当たり前のように通用していた。JIAは、家族でも学校でも、教われなかったことを学ぶ場所なんじゃないか。」
ワークキャンプでは、ハンセン病快復村の村人と学生が、互いに育てあっている。
若者同士も同様に、互いに学び、成長し合っている。
こんな循環を、JIAの活動を通じてより多くの場所で広げていきたい。
※南寧の活動
ワークキャンプへ 大学でのワークキャンプとハンセン病の宣伝活動