「心構え」編トレーニング
「僕はこれまで、村人(ハンセン病快復者)に対してはいろいろとよくしてきた。でも、日常生活においては、なぜ周りの人々に対してよくしていないのだろう? 答えはまだ見つからない。でも、このことについて考え続け、自分を高めていきたい。」
JIAワークキャンプ湛江地区委員会(広東省)の蘇祖洪(学生ボランティア)は「心構え」編トレーニングに参加しての感想をこう語る。
10月1-4日、JIA事務局プロジェクト部は「心構え」に関するトレーニングを開催し、華南5省8地区の学生ボランティア28名が参加した。蘇祖洪はそのうちのひとりだ。
JIAは華南5省にある56ヶ所のハンセン病快復村で活動しており、そこには約1000名のハンセン病快復者が住んでおり、活動の自主的な組織者?参加者は各地区の学生2000名だ。活動のクオリティを保つカギは、各地区委員会の優秀な学生ボランティアとなる。
そこで、JIA事務局プロジェクト部は「知識」「技能」「心構え」の三種のトレーニングを開催し、各地区において「トレーナー」となることのできる、活動経験を積んできた学生ボランティアを1ヶ所に集めて育てる。彼らは各地区に戻り、地区の若手ボランティアを幹部に育て上げる。
これら幹部は地区委員会のワークキャンプを組織するコーディネーターとなるだけでなく、キャンプ後の活動報告会や、地区委員会の情報管理、会員管理などの事務、財務、広報などを担当し、自主的に地区委員会を運営していく。
「心構え」トレーニングで目指すことは、参加者各人が過去の選択を振り返ることなどで「自分」を再認識し、また他の人々や社会との関係性において捉え直すことにある。その結果、ワークキャンプを続けないという選択をするに至ったとしてもよい。とにかく、自分ととことん向き合う4日間となる。
このトレーニングに参加した学生ボランティアが感じたことを紹介したい:
「今回学んだことは、どんな事柄に直面するときにも、まずは焦る心をなだめて、自分の感覚が何と語りかけているかにまず耳を傾けるということ。これができて初めて、相手とのコミュニケーションの基礎ができる。まずは自分をもっとよく理解し、それから一歩一歩他の人々を理解し、そして他の人々に影響を与えられるような、他の人々や社会と睦める人間になりたい。」(広西壮族自治区南寧地区
王保康)
「最大の収穫は一歩一歩自分を理解し始めたこと。大きなことをするつもりはない。ただ、自分の過去を振り返るのはそれほど嫌なことではなくなりそう。いいこともあったと思えるようになった。どんどん身近な人たちを理解し、距離が縮まっている感じもする。」(広西壮族自治区南寧地区
葉恵)
「今回、『自分の長所を語る』という時間が自分にとっていちばん感触があった。以前はそんなことしたことがなかった。いつも自分の長所を無視して生きてきた。いつの間にか、自分の短所しか見ないようになっていた。小心でナイーブで、自分を卑下していたし、自信がなかった。でも、『自分の長所を語る』時間でわかったのは、客観的にも自分を見ることの必要性だ。自分の長所を無視する必要はない。周りの人々についても、悪いところばかりを見る必要はない。お互いにその良さを認め合っていくこと。相手の美しさを発見できる心構えを持つこと。」(湖南省長沙地区 李葉)
彼らはこれまで、ワークキャンプを通してハンセン病快復者の村人たちと向き合ってきた。その上でこのようなトレーニングを受けるので、その内容が彼らの中にすっと入っていき、心に響く。つまり、JIAはハンセン病快復者と共に若者を育てている。JIAは多くの人々のサポートを得ながら、このような状態を保ち、これからも発展させていきたい。