JIAを支える企業vol.1――広州山九物流有限公司――
『与えていると思っていたら、実は与えられていることに気付いた』
JIAの活動に関わった多くの人からこの言葉を耳にするのは、人と人との分け隔てない関わり合いを重視する活動だからこそ生まれる言葉であるように思う。なぜなら、ボランティアに携わる学生だけでなく、JIAを支援する企業からも同様の声を多くいただくからだ。
企業はなぜJIAを支援することを決めたのか?これから数回にわたって、その想いを紹介したい。
広州山九物流有限公司とJIAとの出逢いは2014年、広州の日本人商工会での講演に原田燎太郎がスピーカーとして参加した時だった。当時のことを振り返り、講演に参加された中井総経理はこう話す。
「…原田氏の話を聞き、社会に貢献する姿勢で活動を続けるJIAにとても共感した。
自社も運輸会社として、社員を雇用すること、社員が仕事をすること、安全にお客様の元に物を運ぶことで、社会に貢献している。
同時に、社会に貢献するとは、人に関心を持ち、相互に協力し合うことでもあると思う。どんな時も人は1人では生きることはできない。自社の社員には、自分が常に人に助けられていることを感じ、感謝し合える人であってほしい。
“感謝”は、社名の由来でもある“山九(サンキュウ=Thank you)”ともつながる大切な価値観。JIAの活動も同様に、感謝の連鎖を生み出して行っていると思う。
また、JIAで活躍する学生は、人のために自分が出来ることは何か?を考えて行動し、そこから学び、成長している。まずは動くこと、そして相互に支え合うことで、さらにいいものを生み出している。このような流れを作る活動は是非サポートしていきたいと思うし、自社の社員もそこから学び、同様の意識を持てば素晴らしい。
中国で仕事をさせてもらっている日系企業として、中国の若者が成長し、幸せになる手伝いをこのような形でさせてもらえることは、自社の誇りであると感じている。」
広州山九物流有限公司は広東省2か所の拠点で社員を対象としたJIA講演会を開催した。退勤時間後の自由参加型イベントにもかかわらず、80名を超える社員が足を運んでくれた。
現在、ハンセン病快復村で行う一部の活動には、広州山九物流有限公司の車両を提供いただいている。これによりJIAは一般参加者の活動費を抑え、より多くの人に活動を体験してもらえるようになった。
企業がJIAと関わるようになったことで、JIAは資金面だけでない多くのものを与えられている。
学生が主体となって創っているワークキャンプを、ワークキャンプに参加したことのない社会人から評価してもらうことは、学生自身の信念に対する自信、肯定につながる。
若者たちがこれからもより良い活動を続けていけるよう、活動の価値を共有する人達が増えていくよう、JIA事務局は今後もJIAを多くの人に伝えていきたい。